0120-1182-86047-406-3580
0120-1182-86047-406-3580

ラビット歯科 船橋 院長 森郁子インタビュー

HOME > ラビット歯科 船橋 院長 森郁子インタビュー

経歴

鶴見大学歯学部歯学科卒
お茶の水はりきゅう専門学校卒
鶴見大学歯学部付属病院第二保存課
木村歯科クリニック勤務
立靖会 ラビット歯科船橋訪問診療部 院長就任

資格

歯科医師
鍼灸師

 

歯科医師の免許だけでなく、鍼灸師の資格を持っていらっしゃるんですね。

そうなんです。
子供が受験の時などブランクの開いた時期があったので、勉強をして取りました。
父が医師だったことと東洋医学に興味があって・・・西洋医学とはアプローチが違って面白いです。
西洋医学は、検査をして原因を取り除くスタンスです。
東洋医学は、全体的な体質や症状を診て、異常が起こっているところにアプローチしていきます。
不調の原因がよく分からない場合などに期待ができることもあり、西洋医学と東洋医学の特徴を活かして使い分けたり、組み合わせると治療の幅も広がると思います。

 

ちなみに、今日は何件くらいの訪問でしたか?

12件くらいですね。

 

お疲れ様です、先ほど訪問先から車で帰ってきたスタッフさんにすぐにお声かけしていただき嬉しかったです。また、会話を聞いて和やか~な職場だなと思いました。女性が多いのですか?

ありがとうございます。
スタッフはおおよそ男女半々ですね、男性スタッフも人当たりが柔らかいです。
衛生士さん、助手さんは子育てがひと段落した方も多いです。
お子さんがいると5時までの時短勤務にも出来るので、ありがたいという話を聞きます。
大きい医療法人(立靖会)だから出来ることかもしれませんね。

 

治療はどんなものが多いですか?

入れ歯が多いですね。
入れ歯をなくしてしまった、作りたいなど・・・。

 

なくしちゃう?

しばらく入院されていて、なくしたなどですね。
今まで行っていた歯医者さんに行こうにも2階で行きづらい、待合室で待っているのもちょっと大変、来てもらうととてもありがたいという話はよく伺います。
あとはご自宅で抜歯することもありますね。
どうしても残せない歯は抜歯したり、レントゲンも撮れます。

 

レントゲンが訪問歯科で撮れるんですか?

そうです。
患者さんは、歯医者さんが自宅に来られることを知らなかったという方が多いですね。
あと、要介護じゃないと来てもらえないと思っている人は多いです。

 

要介護じゃなくても来てもらえるんですか?

はい、1人で買い物に行くなど日常の事が出来ない方、という基準です。
ご高齢の方は遠慮がちな方が多いのですが、呼んでいただければ参ります。

 

先生は子育てを経て復帰されていますが、訪問歯科を志したキッカケは?

お年寄りも多くなってくる時代でニーズがあるということと、しっかり噛んでおいしく食べていただくお手伝いをできたらいいなと思ったことですね。
脳梗塞の後遺症で歯ブラシが持ちにくくなり、ご自身で歯磨きが難しくなると虫歯や歯槽膿漏(しそうのうろう)が多くなります。
入れ歯のバネを掛けていた歯が痛くなってしまった方も多くみられますので、症状を診て、入れ歯が使えるのか?修理が出来るのか?作った方がいいのか?を判断します。
そうした処置やお口を清潔にすることでお口の健康を守っていかれたらと思っています。

 

ご高齢の方は「歯周病」より「歯槽膿漏」という呼び方がなじみあると思います。言葉選びも寄り添っていると感じます。

ありがとうございます。
私は学生時代にボランティアをしたことがあります。
その時に、ボランティアは押し付けではなく、その方に寄り添うことが大切だと感じました。
その経験から患者様が何を望んでいらっしゃるのかを聞き取って、なるたけそこに沿った形を心掛けています。

 

先生が寄り添ってくれるというだけで心強いです。そもそも歯医者さんって「怖い、痛い」というイメージなので。

みなさんそうおっしゃるので、まずは打ち解けていただく様にお話ししながらコミュニケーションをとります。
処置をするにしても出来るだけ痛みのないように心がけております。

 

訪問歯科では、出来る治療が限られていると思うんですが。

「ポータブルユニット」という、歯を削ったり水を吸ったりするミシン箱大の箱を持っていきます。
ご家族様が「ああ、こんな器具でやるんですね」とおっしゃいます。

 

どういう姿勢で治療するのですか?

例えばベッドだとリクライニングができれば、患者さんの状態に合わせて随時調整します。

 

寝たきりでも大丈夫なのですか?

はい、ご家族様に「どれくらいまで起こして大丈夫ですか?」と聞いて、出来る範囲で行います。
水が出る器具を使う場合、むせる方もいらっしゃるので極力使わないようにするとか、削る時もお水を出さないなどの配慮もしております。

 

そんなことも出来るんですね!

はい、その方の状態に合わせて「ここをこうしてほしい」というのを汲み取り、出来る治療をします。

 

ご本人が意志を伝えられる人ばかりとは限らないのでしょうか?

そうですね。
伝えられない方もいらっしゃるので「ここまでだったら大丈夫」「ここは無理をしない」など見極めながらやっています。
いきなり処置をしなければならない場合もありますけれど、「完璧に治療する」というより、「患者さんが痛くなく食べられる状態にする」を目指しています。

 

ご家族やご本人から言われたことで印象に残っていることは?

悪性腫瘍でターミナル(終末期医療)の患者さんがいらっしゃいました。
顔面神経麻痺があって口角が下がってしまう方がいらっしゃったのですが、その方が「食べたい」ということで入れ歯を作成したんですね。
入れ歯を早急に作りまして、食べられるようになり、そのせいか口角が上がったんです。

 

それは嬉しいですね!

すごく喜んでくださって。
口角がとても下がって「これは治らないのかな」と仰ってたのですが、刺激になったのか入れ歯を使うと、こうも違うんだなと・・・私もビックリしました、凄く嬉しかったですね。

あとは胃ろうの方ですね。
胃ろうは、お口からお食事を取らず胃に直接栄養を入れます。
お口から食べていないから汚れないかというとそうでもなくて・・・痂疲(かひ)といって、お口のカスのようなものが上アゴに付くことがあるので、お口をキレイにさせていただいています。
ご家族様の「ありがとう」のお言葉も嬉しいものです。
また、最期の大事な時に立ち会わせていただくこともあり、神聖な気持ちで口腔ケアをさせていただいたのを覚えています。

 

口腔ケアは誰がするのですか?

歯科衛生士さんもしますが、居宅は口腔ケアもドクターが行うこともあります。
ご家族様が難しいケア・・・歯磨きや拒否が強い方なども伺ってケアをさせて頂ています。

 

拒否があっても、先生や衛生士さんなら出来ると思ってお願いしてもいいのでしょうか?

はい、大丈夫です。
動いてしまう方もいらっしゃいますが、お口を開けるポイントもございますので。

 

お口を開けるツボがあるんですか?

はい、あるんです。(笑)
あとはその方の状態にあった形でふき取りやケアをして・・・そういう方も結構いらっしゃいます。

 

通っているうちに気心が知れてくることもある?

ありますあります、治療の合間にお話ししたりします。

 

介護している家族は、他の人が入ってくれるだけで気が楽になると思います。

ご家族様ともたわいのないお話をさせていただいたり、私たちがケアしている間ちょっと休んでいただいたり・・・「大丈夫ですよ、何かあったらお声がけしますので」と伝えておくとみなさん気楽にしてご用事いただけるのかな、と。
「待ってなきゃ」とか、「キレイにしなきゃ」とか、思わなくて大丈夫です。

 

そうなんですね!ホッとしました。先生を放っておいて他のことやるなんてとんでもない!と思っていました。

治療のご相談がある時はお声がけしたり、いていただきたいときは相談しますから大丈夫です。

 

「先生が来て下さる」だけでも恐縮です。

いえいえ、もっと気軽に。
認知が進んだ方でも、お話をしていただくだけでお口も脳も使います。
お口の機能は食べる・噛むだけでなく、話したり飲み込んだりもあります。
当院は、飲み込みの検査もやっております。

 

飲み込みの検査はどうやるんですか?

鼻から内視鏡を入れます。

 

痛くないんですか?

熟練の専門の先生がやっておりますので痛くなく出来ます。
嚥下(えんげ:飲み込み)のリハビリも、正式な資格のある歯科衛生士さんがやっておりますのでご安心ください。

 

嚥下のリハビリってどんなことをやるんですか?

首のあたりの飲み込みに関連する筋肉を鍛えたり刺激したり・・・舌が動かない方も結構いらっしゃるので。

 

舌が動かない??

そうです。
色々な原因で動かなくなると、ご飯も食べられない、お話もしにくくなるので、その方に合った食形態をご提案します。
飲み込めるけどちょっと遅いとか、誤嚥(ごえん:飲み込んだものが誤って気管に入ってしまうこと)しているとか、そういうことが内視鏡だと分かります。
安全に召し上がっていただくお手伝いをします。

 

コロナで出掛けづらくなってから、食べることの楽しみの比重が増していますよね。

そうですね、ですのでよく噛んで召し上がっていただくことを大切にしています。

 

治療して食べられるようになったものはあります?

あります、あります。
おせんべいやたくあんを召し上がれるようになった方もいて、それは嬉しいなと。(笑)
入れ歯は、筋のあるものを食べるのが難しいのですが、アゴの力が回復すると食べられる方もいらっしゃいます・・・まずは刻んで召し上がれると「ああ、よかったな」って。

 

先生も嬉しいんですか?

はい、嬉しいです!

 

今日お話を聞いて訪問歯科のハードルがすごく下がりました。ちなみに、家族は付き添わないとダメなんですか?

コミュニケーションが難しい場合や、料金のご相談で立ち会っていただくこともあります。
鍵も開けられしっかりされている方は、おひとりで受けていらっしゃる方もいますし、様々です。

 

認知症でも大丈夫ですか?

認知症の方でも、ある程度周りの事ができているなら処置と状態によっては大丈夫です。

 

訪問歯科診療において心掛けていることは?

歯医者として「こういう風に治療した方が良い」というのもありますが、患者さんが「どうしてほしいか?」を汲み取るようにしています。
最低限治療の必要なところはお伝えしつつ、患者さんのご希望も取り入れ判断することが専門家として大事だと思います。
入れ歯はしっかり作りたいというのもありますが、患者さんは両手での取り外しが難しいこともあります。

 

入れ歯って、両手で外さないとダメなんですか?

片手でしかできない方もいらっしゃるので、そこは「入れ歯の設計」を考えます。
本当はここを付けた方がしっかりするけど、患者さんはできるだけ小さいのとおっしゃれば、汲みつつしっかりしたものを心掛けています。
そこが難しいところでもあり、面白いところでもあります。
認知症の方で痛くないけど入れ歯を外してしまう方もいますので、そこの見極めなどはまだまだ勉強です・・・ひとりよがりの治療にならないようにと思っています。
自分の自己満足ではダメだなと思ってやっております。

 

そういう先生だと安心してお願いできると思います。

でもこれがなかなか難しい。
大きいとガッチリするんですが、大きいと入れたくない、ちょっとでも違和感があると入れていただけないことがあるので、削って、でも最低限は専門家として合わせると。
いいからと押し付けるのはよくないですよね。
出来ることと出来ない事があるので、あまりにも無理だというのは打開策を申し上げます。

 

ご出身はどちらですか?どんなお子さん時代でした?

生まれも育ちも千葉の市川です。
日本舞踊をやっておりました、名取も取ったんですよ。
割とスポーツも好きでしたね、陸上とかバレーボール、テニスもしていました。
大学時代はオーケストラに入ってバイオリンを弾いていて、今もやっているんですよ。
先日も習志野文化会館が閉館してしまうので、その記念コンサートのステージに乗ってたんですよ。
マーラーの復活というのを弾きました。

 

すごいですね!患者さんにメッセージお願いします!

「無料相談」で状態を診させていただきますので、迷っていらっしゃる方はまずは一度ご相談いただければと思います。

 

マネージャーさんにもお話伺いました!

基本的にはケアマネージャーさん経由でのご紹介が多いですね。
あとは有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、老人保健施設などにも伺います。
森先生は優しいので、ご指名が来ます。(笑)

 

取材後記

女性の先生で本当に人当たりがよく、優しさあふれる方でした。
ご指名が来るのも納得です。
学生時代にボランティアをされていたとのことで、患者さんだけでなく周りのスタッフさんにも心配りをされているせいかとても雰囲気の良い医院さんでした。